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更新日:2017.10.29
今回は中国で外食産業へのITの適用事例を紹介します。
中国人同士での挨拶には「食事しましたか?」という言葉が使われる場合があります。それくらい中国での食文化への意識は高く、食を通じたコミュニケーションも盛んです。
中国の外食産業の市場規模は5兆元(84兆円 2016年 ※1元=17.0円で計算)を越えたというレポートがあります。( CNS(China News Service)より)
先日10月に開かれた第十九回中国共産党大会(5年に1度開かれる中国の重要方針が決められる会議で「十九大」と略されます)においても次世代ITを推進し、実体経済と融合していく姿勢が表明されました。今後、外食産業をはじめ様々な分野への更なるITの適用が期待されます。
中国では、一見ITとは無縁に見える小規模の飲食店ですら、微信(WeChat)、アリペイでの電子決済が可能です。ショッピングセンターなどに入るテナントでは様々なITツールが導入されています。その事例を紹介します。
日本でも導入されているものと同様です。人気のお店は電話やネットでの予約は不可で、店舗での受付のみとしているところがあります。当日店舗に行って、受付台で人数を伝えて発券し、音声と掲示板で番号を呼び出すものです。
座席にタブレット端末を配置し、タブレットから注文するシステムで、これも日本でも見かけるものです。中国にもよく置いてあります。中国ではもう1歩進んだお店もあり、それは、注文を座席についているQRコードから自分のスマートフォンを用いて行うものです。
中国ではフードデリバリーのO2Oサービスやそのアプリがごく一般的に使われていますが、それと同じような画面と流れで注文できます。
写真のようにテーブルの隅にQRコードがあるだけで、店員もQRコード読み取って注文してください、しか言いませんし、注文方法の説明もどこにも出していませんが、お客さんは皆、スムーズに注文できています。
このようなお店では店員は基本的に注文を受け付ける姿勢を見せてくれませんが、それでも呼ぶと店員がスマートフォンを取り出して、テーブルのQRコードを読み取ってからオーダーを受けてくれます。
以前、日本のニュースでも、中国では野菜を洗剤で洗うというのが話題になったこともありましたが、中国では食の安全への意識は高く、外食産業においても食材や調理する厨房への不信感はあります。そのソリューションとして、また店舗側としては他店との差別化を行う手法として、最近よく見かけるのが、キッチン見える化サービスです。
店内にこのようなディスプレイを設置し、厨房の映像や外部評価の結果が表示されます。注文した料理がなかなか来ない場合にも、調理担当者がちゃんと動いているという確認もできます。
左の写真の店外に設置している例です。表情のアイコンで厨房の安全度合いを表しています。中央の写真には予約番号の発券機も置いてある様子が写っています。
右側の写真は店内に設置してある例で、サイネージの形も異なります。
飲食店の受付によく置いてあります。利用者は待ち時間、あるいは食事中に充電し、食後に返却します。
このモバイルバッテリーのシェアリングサービスは飲食店店舗に限らず、デパート、ショッピングモール、映画館など、人が一定時間滞在するような場所の一角に設置されています。ここ最近増えてきているサービスです。
設置機器の大きさも様々で台における小型のものから、タワー型のものまであります。
左の写真の奥には順番待ちの番号が表示されるディスプレイと、メニューを見ながら自分の番号が呼ばれるのを待つ人たちも写っています。
外食に関するアプリを紹介します。以前、このコラム内の中国O2Oサービスで紹介した中国版の食べログです。飲食店の検索や評価、お勧め料理、場所の確認はもちろん、クーポン取得やお店の予約までアプリ内でできます。
最後に、中国には日系の飲食チェーンもたくさん進出しています。吉野屋、サイゼリヤ、大戸屋、和民などなど、中国へお越しの際は、ぜひ日系の飲食店にも足を運んでみてください。
以上
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