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更新日:2018.04.29
今回は、先ごろ4/25に開催した弊社リスクモンスターチャイナ6周年及びFNAチャイナ15周年の設立記念セミナーにて、中国の電気自動車についての講演がありましたので、その講演内容を紹介いたします。FNAチャイナ(ファクトリーネットワークチャイナ)の副総経理である周 建均氏が「中国EV自動車市場の動向及び日系企業の中国展開のチャンス」をテーマにした講演です。
中国が製造強国となるために注力する10大分野のうちの1つに「省エネ・新エネ自動車」を上げています。
中国の毎年の新エネルギー車の販売台数を示した図です。中国が世界最大の新エネルギー自動車のマーケットとなっており、保有台数で世界の半分以上が中国にあり、特にここ数年の伸びが著しいことを示しています。(2014年7.5万台、2015年33.1万台、2016年 50.7万台)
上海などの大都市ではあまり見かけないですが、中国全土でみるとスライドで紹介されている北京汽車の小型車(ECシリーズ)が累計販売台数としてはTOPとなります。
売れる理由として、中央政府や地方からの補助金がたくさん出ていることを紹介しています。実に本体価格の5割近くも補助金でまかなわれるケースもあり、安い車であれば4~5万元(日本円で68~85万円 1元=17円で計算)で買えてしまいます。中国の地方の中間所得層にて、安く自動車が取得できるということで、このような小型の電気自動車の購入が伸びています。
もっともこの補助金も不正受給問題などが発覚したこともあり、年々補助額が減少傾向にあります。
新エネ車のメーカー別累計販売としてはBYDがTOPですが、中国各地に知名度が低いメーカーも数多くあるということを紹介しています。
エコカー工場も湾岸部、内陸部を問わず中国全域で建設が進められています。
中国の都市部での新エネルギー車が増加した一つの理由として「ナンバープレートの取得」があげられます。都市部ではナンバープレートが高額で落札する必要があり、例えば上海では8万元前後 (日本円で136万円 1元=17円で計算)することもあります。また、この額を払えばすぐにプレートを取得できるわけでもなく、毎月の抽選に当たるのを待つ必要があります。
これが、新エネ車であれば、ナンバープレートをすぐに無料で取得できます。
都市部で新エネ車を購入する理由としては、このナンバープレートの取得できることがもっとも重要ではないでしょうか、
上記の図で北京ではPHEV(プラグインハイブリッド車)には補助金は出ますが、ナンバープレートの配布対象にはなっていません。そのため北京では全くといっていいほどプラグインハイブリッド車が売れていません。一方、上海・深センでは、EV車とプラグインハイブリッド車ともに補助金の支給対象でナンバープレートの取得対象となっているため、この都市では実に新エネ者の8割以上がプラグインハイブリッド車となっています。
また、充電インフラの整備・普及も課題になっています。政府の方針でガソリンスタンドに充電スタンドの設置を促進しています。
周氏は急速充電の技術で日系企業のチャンスがあると指摘しています。
ZEV(Zero Emission Vehicle)規制としては米国のカリフォルニア州が有名でしょうか。中国でもNEV(New Energy Vehicle)規制を中国版ZEV規制として、今年2018年にも完成車メーカーに義務付ける方針です。また規制を設けるとともに政府は2020年に200万台という目標台数を掲げ、購入する個人や地方を支援しています。
去年、政府から発表された計画では、中国国内のみならず、世界の自動車メーカーと伍することができる中国の自動車メーカー、部品メーカーを育成するという目標が定められています。
講演をした周氏は日系の部品メーカーの課題と機会を以下のようにまとめています。
日系の部品メーカーは出遅れ感があるが、何が必要とされているかを知り、中国企業と出会う機会があれば、販路拡大のチャンスがあるということでした。
最後に、ファクトリーネットワークチャイナのビジネスについて紹介します。FNAチャイナは製造業に特化したビジネスマッチングサービスを提供する会社です。製造業の情報を扱うマガジンの発行や製造業の商談会の開催や各種企業や業界の調査などを行っています。
中国ひいてはアジアで日系の製造業企業が活躍していくために必要な非常に強力で有用なツールを提供している会社ですので、ご興味のある方はFNAチャイナ(http://www.factorynetasia.com/ )のサービスをご活用ください。
以上
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