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更新日:2024.01.31
「Temu」 はスマートフォンアプリを通じて消費者と商品パートナー、メーカー、ブランドを結びつけるeコマース会社です。日本では2023年7月よりサービス提供が開始されました。非常に低価格で商品が販売されている事からiOS、Android共に2023年もっともダウンロードされたアプリとなりました。今回は急成長している「Temu」の運営会社である拼多多をご紹介します。
中国発アプリの「Temu」ですが、中国では「Temu」という名称でサービスは提供しておらず「拼多多(pīn duōduō)」という名称でサービス提供しております。そのため中国人に「Temu」を聞いても知らない人がほとんどです。
拼多多は2015年4月設立の上海を拠点に成長したインターネット企業です。設立当初は農産物の小売プラットフォームを提供しておりました。サービスの特徴として下記2点よりユーザーは農産物を安く購入する事が出来ます。
・流通業者を挟まず、直接農家と契約する事で農産物の中間コストを削減
・拼(団体購入)を前提とすることで農産物の単価コストの削減
そこから徐々に、取り扱い商品を拡大し、農産物だけではなく家電や衣服なども取り扱う、世界規模のモバイル電子商取引プラットフォームとなりました。2018年7月にはアメリカのナスダック(NASDAQ)に上場しております。
拼多多は2015年のサービス提供開始から着実に利用ユーザー数が増加しており、取扱商品が急増した2018年、2019年には利用ユーザーが急増しました。しかし、2020年、2021年の成長速度には鈍化がみられます。原因としては商品需要が減少したわけではなく、2018年以降iOS、Androidストアランキングで常に上位に位置していたことから中国での規模が十分に拡大しきった事によるものです。
拼多多は2020年までは利益が赤字で推移しておりましたが、2021年より黒字に転換しております。また、2021年と比較し、利益額が約4倍と急増しております。これは中国での規模が十分に拡大し、投資フェーズから収益性を高めるフェーズに入ったことによるものと考えられます。2022年度の売上利益率は前年2021年度の8.3%→24.1%に上昇しております。
拼多多の利用ユーザーの割合は35歳以下が約7割を占めています。昔の中国では農産物は市場で購入するというのが主流でしたが、スマートフォン及び、デリバリーサービスの普及により中国の若者では食品をアプリで購入するというのが主流となりました。
また、「Temu」アプリと同様、現在はファッション関連の製品に力を入れており、オシャレな服を低価格で購入出来る点も若者から人気を得ている理由の一つです。
中国で人気サービスの拼多多ですが、中国での規模が十分に拡大しきった事により、今後は海外展開にさらに力を入れていくと考えられます。若者から支持を得ていることから日本でもZ世代を中心にさらに「Temu」アプリの利用が拡大するのではないかと考えております。
今後も中国発のサービスが海外展開されるというケースが増えていくと思われますが、今後どう浸透していくのか、注視していきたいと思います。
執筆者:利墨(上海)商务信息咨询有限公司 高名 宏明
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