ＨＳＫは、学業やキャリアにおける中国語能力の証明となり、中国の大学に留学するための条件や、就職・転職や昇進など、様々な場面で役立ちます。

　これから中国赴任をする方や、現在中国に赴任されている方で、ＨＳＫの合格を目標としている方も多いのではないでしょうか？

　今回は、日本ではなく中国現地でＨＳＫ受験を考えている方に向けて、申込み方法や当日の流れなどをご紹介いたします。

ＨＳＫとは？　（筆記試験）

　ＨＳＫ（漢語水平考試）は、中国語を母語としない人々のために設計され標準化された中国語能力試験です。この試験は、中国語の読み・書き・聞き取り・話す能力を評価し、ビジネスや学業など様々な場面で中国語を使用できるかどうかを判定するために使用されます。

ＨＳＫのレベル:

ＨＳＫは、６つのレベルに分かれています。各レベルの難易度とテスト範囲は以下の通りです。１級から級が上がるごとに難易度が高くなり、現在は９級まであります。

各級の紹介　｜　ＨＳＫ　日本で一番受けられている中国語検定　（ｈｓｋｊ．ｊｐ）

・新設されたＨＳＫ７～９級について

2023年より新しく７～９級が新設されました。７～９級は、同じ試験の点数によってレベルが判定される、ＴＯＥＩＣのような方式です。

１～６級までにはない、翻訳・通訳・スピーキングの項目も追加されており、難易度は非常に高いです。

また、新しい級の新設だけではなく、１～６級までの出題範囲も改定され、全体的に難易度は上がっています。

ＨＳＫＫとは？（口頭試験）:

ＨＳＫＫ（漢語水平口語考試）は、中国語のスピーキング能力を評価するための試験です。この試験は、中国語を母語としない人々の中国語の話す能力を測るために設計されています。

ＨＳＫＫは３つのレベルに分かれており、それぞれのレベルは受験者の中国語のスピーキング能力に応じて異なる難易度で設計されています。

各級の紹介　｜　ＨＳＫ　日本で一番受けられている中国語検定　（ｈｓｋｊ．ｊｐ）

ＨＳＫの試験内容（１～６級まで）:

「リスニング」、「リーディング」、「ライティング」の３つのセクションから構成されます。

＜配点＞

リスニング：100点

リーディング：100点

ライティング：100点

合計300点

合格点は180点（６０％）です。 ※１級と２級では「ライティング」セクションがなく、リスニングとリーディングのみです。

試験金額:

日本では、ＨＳＫとＨＳＫＫを別々に受験することが出来ますが、中国ではＨＳＫとＨＳＫＫは必ずセットでの受験となります。そのため、受験費用は中国の方が高くなります。

※ＨＳＫＫの試験を受けずに退出しても、ＨＳＫの合格には影響がありません。

レベル	金額
４級	750元 (15,750円)
５級	950元(19,950円)
６級	1,050元(22,050円)

※１元＝21　円で換算

※ＨＳＫ、ＨＳＫＫを含んだ金額

※支払手数料などを除く

試験内容は日本開催のものと同じですので、詳しくは日本ＨＳＫ公式のＨＰをご確認ください。

各級の紹介　｜　ＨＳＫ　日本で一番受けられている中国語検定　（ｈｓｋｊ．ｊｐ）

試験の申込み方法

ＨＳＫは、年間を通じて世界中のテストセンターで実施されており、受験者はオンラインで申し込むことができます。試験の結果は、試験実施から約１か月後にオンラインで確認できます。今回は、中国赴任者に向けて、中国でＨＳＫを受験する方法について解説いたします。

中国から受験の場合、下記のサイト上から受験申込みをすることが出来ます。

中文考试服务网　（ｃｈｉｎｅｓｅｔｅｓｔ．ｃｎ）

ＨＳＫアカウントの作成:

➀トップページの「Log In」をクリックします。

②アカウントの作成を選択します。

③ニックネーム・e-mailアドレス（※）・passwordを設定して、「登録」ボタンを押す

※Gmailの場合、メールが届かない場合があります。

➃登録が完了している場合は、登録のメールアドレスに、登録完了の通知が届きます。

試験の申込み:

➀ログインした状態で、トップページの「Book A Test」を選択します。

②試験の内容、日時、受験地を選択します。

③受験者の個人情報を入力します。

＜注意点＞

・顔写真データのアップロードが必要なので、事前に自分の顔写真を用意してください。はっきりと顔が分かるものであれば、証明写真でなくても問題ありません。

・この画面で、電話での認証コードを入力しなければ次に進めません。ＳＮＳを受け取れる電話番号を登録してください。

➃成績証明書の郵送先を登録します。

⑤入力内容の確認をします。

⑥申込みの完了

これで試験の申込みは完了しました。最後に支払い期日が表示されます。

試験料金の支払いを完了させることで、テストセンターの予約も完了します。

※支払いが遅くなると、テストセンターの席が完全になくなって、試験を受けられなくなってしまう事もありますので、出来るだけ早めに支払いを完了させましょう。

「Online Payment」を選択すると、そのまま支払いの手続きに進むことが出来ます。

⑦試験料金の支払い
試験料金の支払いを後からする場合は、次の手順となります。

トップページの、マイアカウントにカーソルを合わせて、「Test Records」を選択します。

このページで、申込みした試験の管理ができます。 支払い状況の確認、登録内容の変更、試験料金の支払い、受験票の印刷、試験結果の確認、申込み試験の削除（支払い前のみ可）がこの画面で出来ます。

お財布アイコンを選択すると、支払い画面に遷都します。

金額に問題がなければ、支払い方法を選択します。 支払い手数料（８元）などを含めて、ＨＳＫ５級の受験費用は、1,018元でした。（日本円で２万円以上）円安の影響もありますが、とても高いです。

支払いが完了すると、試験の申込が正式に完了となります。

試験当日の流れ（テストセンター　ＰＣ受験の場合）

当日の持ち物

・パスポート
・受験表（マイページから印刷）
・鉛筆ｏｒシャープペン（ＨＳＫＫを受験する場合）
・腕時計（時計のない会場もあるため）

ＨＳＫＫの試験では、メモ書きのためのＡ４コピー用紙が配られるため、鉛筆が必要ですが、ＨＳＫのみを受験する場合には筆記用具は一切使いません。（テストセンター　ＰＣ受験の場合）

受験票の印刷方法

先ほどの「Test Records」ページで、受験票の印刷ができます。画像の印刷機アイコンを選択すると、受験票が表示されるので、印刷しましょう。 ＨＳＫＫを受験する場合は、受験票は２枚になるので忘れずに印刷してください。

試験会場の雰囲気、注意点

試験は基本的に大学のパソコンルームを利用します。日本の資格試験でよくあるＣＢＴ方式と同じです。試験担当者は至極簡単な中国語を使ってくれるので、安心して受験できます。

試験結果の確認

試験の結果は、試験実施から約１か月後にオンラインで確認することが出来ます。

「Test Records」ページで、メダルアイコンをクリックすると、試験の結果が表示されます。下図は筆者が先日ＨＳＫ４級試験を受けた時の結果です。ギリギリの得点でしたが無事に合格することが出来ました。

おわりに

　今回は、ＨＳＫの概要と、中国でのＨＳＫ受験について取り上げましたが、いかがでしたでしょうか。海外での受験申し込みは、日本と比べてハードルが高く感じるかもしれませんが、手続きは思っている以上に簡単です。試験の目標を設定することで、語学勉強のモチベーションにもつながりますので、是非挑戦してみてください。今回の記事が、中国で初めてＨＳＫ受験をする方の参考になれば嬉しいです。