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更新日:2025.12.03
中国に滞在する日本人は、この10年間でどのように変化してきたのでしょうか。
今回のコラムでは、外務省が毎年8月頃に公表している「海外在留邦人数調査統計」、「海外進出日系企業拠点数調査」をもとに、編集を行い、中国全体および主要都市別の人数や企業拠点数の推移をまとめました。

外務省が公表する「海外在留邦人数調査統計」によると、直近10年において中国に滞在する日本人の数は減少傾向にあります。2014年の13万3,902人をピークに減少を続け、2024年には10万人を下回る9万7,538人となりました。(図1)
この10年間で3万6,000人以上、率にして27.2%の減少です。前年比でみると、2022年の減少幅が5,649人と最も大きく、上海でのロックダウンやゼロコロナ政策の影響により、日本へ帰国する人が増加したことが一因だと考えられます。

次に長期滞在者(※1)と永住者(※2)の推移を調べてみると、長期滞在者は2015年12万7,652人から2024年には9万1,546人に減少した一方で、永住者は3,509人から5,992人へと増加しました。(図2)
この対照的な推移は、駐在による一時的な滞在が減少する一方で、現地で生活基盤を築き、長期的に暮らす日本人が増えていることを示唆しています。
※1 長期滞在者:3か月以上の海外在留者のうち、海外での生活は一時的なもので、いずれ日本に戻るつもりの邦人。
※2 永住者:(原則として)当該在留国等より永住権を認められており、生活の拠点を日本から海外へ移した邦人。

都市別に見ると、上海が最も駐在員の多い拠点となっています。(表1)
また、中国に滞在する日本人全体に占める割合で比較すると、減少幅が最も大きいのは北京で、2015年の6.3%から2024年には5.0%へと1.3ポイント減少しました。
表1 中国の都市別日本人推移

同じく外務省統計には、人数に加えて「海外進出日系企業拠点数調査」も公表されているため、このデータをまとめました。(表2)
その結果、北京にある在外公館(在中国日本国大使館)に登録されている日系企業の拠点割合は、この10年間33.4ポイント減少する結果となりました。
人数の推移と同様に、日系企業拠点数でも減少傾向が確認され、日本人滞在者数の推移と連動する結果が見られます。
表2 在外公館登録別日系企業数推移(※)

今回、外務省が公表している統計データを基に、中国に滞在する日本人推移や日系企業数推移をまとめました。弊社では、中国本土における法人登記情報を分析し中国日系企業の動向を示す利墨リスモン調べを定期的に発信しております。
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利墨リスモン調べ: https://www2.rismon.com.cn/rismon-report-jp
執筆者:利墨(上海)商务信息咨询有限公司 南 みなみ
【引用元】
・外務省「海外在留邦人数調査統計」https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html#bn
・外務省「海外進出日系企業拠点数調査」https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/ec/page22_003410.html
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