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更新日:2018.01.29
今回は中国でゲーム市場を紹介します。中国のゲーム市場の市場規模は3兆円(2017年)に達するとされ、世界1の規模を誇ります。(日本経済新聞の記事による)
中国では家庭用のTVゲームは主流ではありませんので、スマートフォンなどのモバイル端末でのモバイルゲームやPCのWEBブラウザ上で実施するブラウザゲーム、PCにインストールするクライアントゲーム等がありますが、今回は市場規模も大きく、成長率も高いモバイル端末でのゲーム事情やゲームアプリを紹介します。
中国ゲーム業界最大手の騰訊控股(テンセント)が提供するゲームアプリです。テンセントは中国のSNSである微信(WeChat)を提供する会社でもあります。
ユーザーは歴史上の英雄を選択して、チームで戦うアクションゲームです。毎日プレーするユーザーは5000万人に上るとされています。(ウォール・ストリート・ジャーナルより)
より強くなりたい、より相手に勝ちたい、というユーザーの欲求に呼応するように課金要素が設けられ、そこで収益をあげています。
中国ではTVのスポーツ・体育チャンネルでも、この手のゲーム実況が放送されたりしています。eスポーツと呼ぶようです。スポーツの祭典であるオリンピックの種目採用基準が競技人口だとしたらeスポーツもオリンピック種目となる日も遠くないかもしれません。
最近、中国で流行っているゲームで日本産のスマホアプリがありますので紹介します。
「旅かえる」日本の会社「株式会社ヒットポイント」が作成したスマホアプリで中国ローカライズもされていない(日本語メニューのみ)にもかかわらず、中国のスマホのゲームアプリランキングで一時期トップになりました。
かえるが旅に出てかえる、というダジャレのような脱力系のゲームですが、地下鉄でもこのゲームをやっている人を見かけますし、現地社員に聞いても家族がやっている、と言う人もいましたので、確かに流行っていました。
おなじみの中国のSNS、微信(WeChat)には、WeChat内のミニプログラム内でゲームもすることができます。そのなかで流行っているゲームを紹介します。
「跳一跳」というミニプログラムです。押す時間によって飛ぶ距離が長くなるので、それをうまく調節して箱を飛んでいき、飛んだ箱の数を競うものです。SNSでつながっている他のユーザーの得点がランキングとして出ますので、ユーザー同士の競争も楽しむことも要素となっています。弊社の負けず嫌いの総経理は今現在、弊社社員の中では最高得点を出しています。
動画投稿アプリには、猫までもがこのミニゲームをやる様子も投稿されたりしています。シンプルで誰でもできるのが人気の理由と思います。
クイズ単体のアプリもありますし、動画投稿アプリ、ニュースアプリ、ECアプリなどの1コンテンツとして提供しているものもあります。
ルールはシンプルで12問クイズを出して全問正解者が100万元を山分け!と言うものです。
クイズアプリの1つ「西瓜视频」を紹介します。
あらかじめクイズの開始時間が決まっていて、その時間にアプリにアクセスすると、クイズを出題する司会の方が出てきてクイズを出題していきます。以下の例はスポンサーがついて賞金総額が300万元(5,100万円 1元=17円で計算)の回の様子です。このときアクセスしているユーザー数も表示されていますが299万人と出ています。
クイズは、様々な分野から出題されますが、中国人なら知っているような一般常識や歴史、詩句、最近の歌手名や歌名など多岐に渡ります。
例を紹介します。「魚尾紋(魚のしっぽの模様・しわ)」は人の体のどこにできるか?という問いで、正解は「目」で正解率が90%を超えています。目じりの小じわを表現するようですが、中国ではごく一般的な表現ということが分かります。
クイズは1題ごとに表示されてから5秒から10秒程度の時間制限がついて回答を選択します。この制限時間を利用して、クイズの回答アプリも登場しています。クイズ対策アプリはこの制限時間よりも早く、正解を表示してくれるアプリです。ただ、本家クイズアプリも回答形式を工夫するなどして、対策アプリの対策をするなど、イタチごっこを繰り広げています。
アプリの目的(ゲームそのもので収益をあげたいのか、ゲームを呼び水にアプリの滞在時間・訪問回数を稼ぎたいのか)、また、流行るアプリはどこがよかったのか。(ゲームのつくりやゲームからSNSへどう展開するか)など、学ぶべきものがあります。
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