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更新日:2019.05.29
近頃の日本では反社会的勢力(反社)と一部芸能人との関わりが注目されていますが、中国国内でも全国的に反社に対する取り組みが進められていますのでご紹介します。
最近、中国の街中で頻繁に見かけるスローガンです。黒を掃き、悪を除く。中国語で反社会勢力の方がたを指して、黒社会、黒悪勢力などと言います。日本でいうところの「暴力団追放!」に該当するキャッチコピーです。
弊社の入居するオフィスビルや筆者の住居マンションやショッピングセンター、公園など街中のありとあらゆるところにこのスローガンのポスター、たて看板、垂れ幕などが掲載してあります。左が上海市の路上から見える看板、右が上海の隣、江蘇省南通市での垂れ幕です。1級都市、地方都市を問わず、中国で全国的にこの啓蒙がされています。標語の文言や背景イラストなどが1つ1つ競うように異なっており、オリジナリティに溢れています。
下の左側の画像は兵馬俑で有名な中国内陸部の西安市で撮影したものです。歴史のある都市のポスターは、フォントや文字の大きさ・配置にもおもむきがあると感じます。右側の画像は上海のオフィス街で撮影したもので、中国一級都市の洗練された感じがあります。
どの掲示にも電話番号が記載されています。これは通報窓口の電話番号です。どこの地方でも広く市民からの通報を受け付けています。上海市のたて看板には期間が2019/6/1から6/30と掲載されています。この6月に上海に中央政府の方が来られて指導が行なわれ、反社撲滅キャンペーン月間、強化月間としていました。このため2019年6月、上海の夜の街では取締りを受けたり、閉鎖した店舗が多数出たと伝え聞きます。
WeChat(微信)のミニプログラム(中国語名:小程序 アプリ内のアプリ)で通報アプリを提供しているものもあるので紹介いたします。
画像は、山西省のミニプログラムです。多数の地方から同様のアプリを提供しています。機能としてはどこも大体同じで、通報機能、通報者の秘密を保証する案内、通報に対する報奨褒章制度の規程案内の3つが掲載されています。
上海のTV局である上海広播電視台(https://www.smg.cn/)のニュースチャンネルでも、何件の組織を摘発したとか、何件の捜査を行なったとか取締りの成果をニュースに取り上げて、反社撲滅活動の活性化を促しています。
下の画像のポスターは中央政府の定めた反社対応の3ヵ年計画が掲載されたものです。
2018年から2020年までの3ヵ年計画で今年は2年目の2019年です。 2018年初年度は、反社集団に「保護の傘」を与えた役人側の取り締まり強化し、今年2019年は、上述の通り通報制度と取締の強化をして中国人民の安全感、満足度を高める。最終年2020年には、反社組織との戦いに圧倒的な勝利を収める。としています。
下の南通市にあった看板はイラスト入りで反社活動に該当する具体的項目を紹介しています。
暴力行為、恫喝、恐喝行為、高利貸し、みかじめ料請求、不法占拠などのオーソドックスなものが紹介されています。
7番目に紹介されているのが「黄・賭・毒」に関する経営です。賭は賭博です。中国では麻雀やカード(トランプゲーム)を好む人が多く、街中や公園でもやっている市民をよく見かけるのですが中国の法律でも賭け事は禁止されています。毒は麻薬・覚せい剤などの違法薬物です。中国では歴史的経緯からも薬物犯罪には重罪が課されます。「黄」ですが、いわゆる性風俗業を指します。ポルノに対する色の認識は日本と異なっていて興味深いです。
9番目に紹介されているのが墓荒らし、墓泥棒です。歴史を見ると秦の始皇帝は自身の墓を守るために大量の等身大の人馬の焼き物で軍隊を作ったくらいですので、お墓に貴重な物品を入れる習慣があるのでしょう。中国では墓荒らしも反社会的行為に属します。
11番目は、中国国外のマフィアとのつながり、12番目では反社会組織に「保護の傘」を与える官側(役人・公務員)との癒着をあげています。
11番目は、中国では、ゴミの分別や交通違反の取締りなども、この反社組織取り締まり同様に中央からのトップダウン型で、処罰と監視を伴いながら運用が進められています。
中国にお越しの際は、ぜひ年々年々クリーンになっていく中国をご覧ください。
以上
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