第55期 中国の最近の5Gについて

更新日:2019.09.29

2019年11月から中国で商用サービスがスタートしたことで話題の「5G」ですが、現状どこまで進んでいるのか、何ができるのか、今回もまた一駐在員の視点で簡単にご紹介をさせていただきます。

中国での5G

2019年11月1日、網易科技は、北京、上海を含む中国50都市で5G商用ネットワークが開通し、2019年4月から商用サービスをスタートさせている米国や韓国のユーザー数を上回る見込み(20年末には中国で1億2000万人、21年末には4億6500万人)と国内外の報道で伝えています。また、中国は5Gネットワークを国の重点プロジェクトとして整備し、各キャリアが速やかに導入できるようにコストの低下に取り組んできたと説明されています。

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上海で有名な东方明珠がある陆家嘴駅の近くでも、大々的に広告されていました。

そもそも5Gって?

私は恥ずかしながら、5Gはスマートフォンのネットの繋がりが早い!動画が早くダウンロード可能!とぐらいで思っていましたが、実はそれだけではないみたいです。むしろスマートフォン向けとしてではなく、ライフスタイルやビジネスに大きく影響がでてきます。

「5G」とは「5th Generation(第5世代移動通信システム)」の略称です。外で電話が出来るようになった1Gから、現在皆様が利用している4Gまで、世代として分けられているものです。1G~4Gでは何ができるのか?や6Gも計画されている?など興味があるお話もありますが、今回のテーマ「5G」に絞ってご紹介致します。

特徴をまとめました。

① 高速大容量 ~通信速度が4Gの約10倍以上~

→2時間の映画を3秒でダウンロードできると話題になったくらい、とにかく早いです。4K、8Kなどの超高画質映像や、AR/VRを活用した高臨場感のある映像など、容量が大きなサービスを現在より格段に快適になります。

② 低遅延 ~遅延が4Gの約10分の1~

→LINEやSkypeでネット電話をしていて、急に止まってストレスを感じたことはありませんか?簡単にいうとこれが遅れなくなる!ということです。
 具体的な活用例をあげてご説明いたします。以前ご紹介した車の「自動運転」や、「遠隔医療」にも役立てることもできるようです。リアルタイムにロスなく瞬時に指示して、止まったり動いたりしないといけないものに対して、有効的に活用することが出来ます。

③ 多接続 ~同時接続が4Gの約100倍~

→多くの人が同時接続する場所にいるとネットのつながりが極端に遅くなった経験はありませんか?スマートフォンだけでなく、タブレット、ウェアラブルデバイスなどデバイスが多様化され、年々通信量が増加しております。この問題が解消され、さらにインターネットを活用してモノを動かすIoTにも活用出来るようになります。

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第2回中国国際輸入博覧会で展示されていた自動運転自動車。

何に使われているの?

では、実際何に使われているのかを中国での実例を用いて、簡単にご紹介をいたします。

自動運転

やっぱり自動運転です。5Gの3つの特徴があるからこそ成り立つサービスです。自動運転が普及するようになっても「高速大容量」で「多数同時接続」が可能なので心配ありません。普及すれば周辺を走っているクルマと連携し、事前にどのように動いていくのかを把握することができるので、安全性が高まります。もちろんその連携が「低遅延」ですので、瞬時に動くことができより安全性が高まります。

中国企業の中で特に注目は、新興EVメーカーのBYTONという会社で、同社のクルマは「クルマをインターネットに接続する」ではなく、「インターネットに接続されたクルマをつくる」ことをコンセプトにしているようです。5Gの発展を見越し、クルマを売るだけでなく、その後のデジタルコンテンツやサービスの提供を目指しています。

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参照URL:https://www.byton.com/

本当に大丈夫なのか?とまだ不安に思うこともあると思いますが、実現に近づいてきていますので、発展後の世界を予想して行動をしていかないといけませんね。以前私が自動運転の記事も書いておりますので、一度ご覧になってください。

自動運転のコラムURL:https://www.rismon.com.cn/column/53_j.html

医療

医療も5Gでの活用で注目されている分野です。5G特徴を上手く活用すれば、遠隔地で手術が対応できる医者がいなくても、遠隔でリアルタイムに手術の支持や、ロボットを使って手術自体をすることが出来るようになります。

中国では、北京と浙江省と山東省と同時に接続し、世界初となる整形外科手術ロボットマルチセンター5G遠隔操作手術を成功させたと北京日報が伝えています。

まだまだ先だと思っていましたが、手術を成功までさせているのは驚きました。もちろんないにこしたことがないのですが、5Gが普及していたから助かった!と5Gに感謝する日が来るかもしれません。

参照URL:http://j.people.com.cn/n3/2019/0628/c95952-9592464.html

物流

前回のキャラクターの記事で、犬のマスコットとご紹介させていただいた京东(JD.com)の京東物流集団の王振輝CEOは、北京亜州1号スマート物流運営センター内の5Gスマート物流モデルパークがほぼ完成したと発表しました。5Gパーク内では、5G+高画質カメラを活用することで、人員の測位・管理を実現するだけでなく、さらに倉庫内生産エリアの混雑の度合いをリアルタイムで感知し、資源の分配を適時改善することで、生産効率を大幅に高めることが出来ます。

技術の発達によって無人化、効率化が進むことで、人手不足が解消され、人手不足倒産がなくなる日が来るかもしれません。

参照URL:http://j.people.com.cn/n3/2019/1030/c95952-9627814.html

5Gがもう手にとって体験できる時代となりました。まだ、実感はない方も多いかもしれませんが、何に応用されていかれるのか、ビジネスでは何に活用できるのかを知ることがまずは大事です。

4Gで先を見ていた成功してきた企業の事例を皆様もたくさん見てきたと思います。5Gで何ができるのか先を見ることで、新たな成功を掴むことができるかもしれません。そうすると最先端技術をもっている新しい企業との取引や提携も行う機会が今まで以上に増えてくると思います。どんな企業なのか与信判断も大事になりますので、その際には与信調査もお忘れなく!

以上

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