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更新日:2020.08.29
新型コロナウイルスの影響で、中国に戻れていない方もいらっしゃるのではないでしょうか?私も2020年2月から日本に一時帰国をしておりまして、約7か月間日本で勤務し、9月中旬に上海に戻ってまいりました。
中国に戻ってくるタイミングで不安なところが「隔離生活」だと思います。そこで、私や弊社スタッフが戻ってきた体験談をお伝えして、渡航時の少しでもお役立ちになる情報をお届けできればと思っております。
※2020年9月現在の情報である点、地域や人、渡航する便によっても対応が異なる点があるので、あくまで一つの参考情報としてご確認いただければと思います。
中国政府は2020年3月下旬、有効なビザや居留許可を持っていても、外国人は原則、中国への入国を禁止する措置に踏み切ったため、実質日本人は入国ができませんでした。そのため、再度ビザを発行するためには、「招聘状」の取得が必要です。私の場合は、ビザ、居留許可証ともに有効期間が切れていたので、再度健康診断から卒業証明書、犯罪経歴証明書など赴任時に集めた書類が必要になりました。
ビザ、居留許可証ともに有効期間が切れている方は、「招聘状」が取れたタイミングで、事前に必要書類の確認と入手を進めておくことがお勧めです。必要書類等について、詳しくは下記コラムをご参考にしていただければと思います。
第57期 現地駐在員が教える中国赴任にむけた準備のススメ 2020/02/19
参考情報:关于公布近期签证受理条件的通知(中華人民共和国駐日本国大使館より)
入国前で一番の問題は航空券が取れなかったことです。私たちは7月末に「招聘状」を取得できたのですが、そのタイミングで航空券が取得できたのは10月初旬の中華系航空会社の便でした。臨時でチャーター便をご用意いただいたため、1か月近く渡航を早めることができました。2020年9月現在、片道チャーター便で約1.1万元、通常便で約2~3万元のチケット代がかかり、隔離も併せて行わないといけないので、自由に行き来ができるのは時間がまだまだ先のようです。
私の渡航時は、5日前までにPCR検査(約3万円)の陰性結果を発行してもらい、飛行機の搭乗手続き時に提出する必要がありました。なお、現在(2020年9月)では、2020年9月25日より渡航3日前が義務付けられています。
渡航直前の日付が指定されているので、PCR検査を受け付けてくれる病院をあらかじめ探しておき、空き状況と、書類作成までの日数等の確認が必要です。
参照:新型コロナウイルスPCR検査陰性証明提示による搭乗開始のお知らせ(中華人民共和国駐日本国大使館より)
飛行機の利用が通常時と異なります。到着後の流れや注意点について、ご紹介いたします。
搭乗する前に「海关旅客指尖服务」(Wechatでの登録がお勧め)へ健康状態を記載し、その結果が示されている「QRコード」を出せる状態にしておく必要があります。QRコードの有効期限が24時間なので、前日夜もしくは当日朝に事前登録がお勧めです。座席判明後、正式登録を行い、QRコードをスクリーンショットで画像保管をしてください。
空港に到着後は、どこへ向かえば良いか分かり易く流れが書いてありますので、指示に沿って進んでいきます。
1 | 「検体採取に関する同意書」の受け取り。 |
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2 | 「検体採取に関する同意書」にサインと、「海关旅客指尖服务」で出力したQRコードの提示が必要。※簡単なヒアリングがある時もあるようです。 |
3 | PCR検査実施(鼻で2か所検査)後、「検体採取に関する同意書」を提出。 |
4 | 入国検査(中国携帯電話番号を聞かれる)、荷物を受け取って、荷物検査後、ゲートを抜ける。 |
5 | 「浦东机場入境旅客信息登记」を登録する必要があり、登録後QRコードを発行。(QRコードがT1とT2で異なる。下記写真はT1。) |
6 | 居住する地区の場所へ向かい、パスポートと航空券を渡し、隔離ホテルまで向かうバスの番号を確認。 |
7 | バスに乗ってホテルへ。(ホテルの指定不可) |
左:浦东空港到着後、登録が必要なQRコード(筆者撮影)
右:空港でPCR検査を受ける様子 参照:人民網日本語版
皆様が気になる隔離生活の実態について、私の実体験をご紹介いたします。私の場合は、上海に自宅があるので、最初の7日間ホテル隔離、そのあとの7日間は自宅隔離となりました。なお、自宅がない方は14日間ホテル隔離となります。
ちなみに弊社スタッフは上海に自宅がありましたが、同じ飛行機にPCR陽性者が出てしまったため、2週間ホテル隔離(実質17日間)となりました。ほかにもマンションによっては自宅隔離が受け入れ不可もあるようなので、その場合も2週間ホテル隔離となります。
ホテル隔離序盤 |
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・ホテル到着後、バスの中で部屋番号を伝えられ、部屋の鍵を受け取り。 |
・部屋へ移動後、係の人が部屋に入り、ホテルでの注意事項の説明有。 |
・隔離承諾書などの書類を記載。(名前、パスポート番号、上海の自宅住所、渡航歴など) |
・ホテル代の支払い。 |
・部屋の内線、または自分の携帯電話宛に、上海の自宅住所の確認有。(2日目) |
ホテル日常 |
・弁当は毎日3回ドアの前に支給。 |
・ごみは指定の袋でドアの前に置くと1日1回回収がある。 |
・毎日2回(午前/午後)の検温。 |
・部屋の外には出てはいけない。(廊下に監視カメラ有) |
・WiFi環境有。(リモートで仕事は可能であるが、ホテルによって差がある) |
・ないもの:洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、寝間着、歯ブラシ、ウォシュレット。 |
・あるもの:ポット、シャンプー、ボディーソープ、タオル、飲料水。 |
・タオルは言わないと変えてもらえないが、言っても頻繁には変えてもらえない。 |
・出前NG。フロントに言えば飲み物やインスタント麺などは購入可。 |
ホテル隔離終盤 |
・PCR検査1回実施。(鼻と唾液で検査・ホテル隔離5日目・120元/回) |
・ホテル隔離が終わる1日前に、部屋の内線で荷物をまとめるようにと連絡あり。 |
・ホテル隔離7日目に、ホテル隔離終了の証明書が発行。 |
・自宅へは専用バスで各自宅へ移動。 |
筆者撮影 左:隔離ホテル部屋の様子 右:支給されたお弁当
自宅到着後当日 |
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・マンションの入口で部屋番号と名前、パスポート番号等の記載。 |
・医療チームの人が部屋まで来て、書類(告知書)を記載、注意事項を説明あり。 |
・消毒薬を渡され、部屋の消毒をするように指示があり。 |
自宅隔離の日常 |
・出前OK。配達員との接触がないように注意が必要。(弁当の支給等なし) |
・ごみは毎日朝1回部屋の前で回収。分別は不要。 |
・午前は医療チームの方が自宅へ来て検温。 |
・午後は医療チームの方へWechatで、自分で検温した結果を、写真を撮って報告。 |
自宅隔離終盤 |
・PCR検査1回実施。(鼻と唾液で検査・自宅隔離5日目・120元/回) |
・自宅隔離7日目に隔離解除の書類を受領し隔離生活終了。 |
・健康QRコード(随申码)も赤色から緑色に変化。 |
上海観光地・人通りの様子(2020年9月 弊社スタッフ撮影)
左:豫园 右:南京东路
たくさんの方から事前に情報をいただき準備をしたおかげで、不自由なく隔離生活を終えることができ、人間関係の大事さと、情報収集の大切さを改めて実感いたしました。これから中国へ戻られる予定の方や、ご家族の方が戻られるという方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。
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