第78期 中国の口コミアプリについて

更新日:2021.10.26

 皆様は「お店に食事に行くとき」、「どこか旅行に行くとき」などに「口コミ」を気にするでしょうか?日本では、「食べログ、ぐるなびの飲食店レビュー」がよく知られていると思います。

 中国でも「会社での飲み会」、「旅行先で宿泊するホテル」、などお店を選ぶときに「口コミ」を重視する人が多いです。(実際に筆者も飲み会のお店や宿泊先のホテルを選ぶときは必ず今回紹介するアプリで口コミをチェックします)

 今回は、そんな中国での「口コミ」を独占しているアプリ「大衆点評(中国表記:大众 点评)」を紹介いたします。

大衆点評とは?

概要

 2003年4月にサービスを開始した世界中の店舗情報と消費者によるレビューを掲載する中国最大の生活情報アプリです。
 運営会社は「美団」で他のサービスとしてフードデリバリーサービスや自転車シェア事業が有名です。

利用規模・頻度

 中国のスーパーアプリ※のWeChat、Alipayと比較するとその利用規模のすごさが分かると思います。

※メッセージングやソーシャルメディア、決済、送金、タクシー配車、飛行機やホテルの予約、Eコマースなど日常生活のあらゆる場面で活用できる統合的なアプリ

アプリごとのダウンロード数とMAUの比較
アプリ名 ダウンロード数 MAU(月間アクティブユーザー)
大衆点評 49億 1.5億
WeChat(中国版LINE) 114億 12億
Alipay(QR決済) 84億 8億

※参考:HUAWEIのアプリストア

登録店舗数

 約770万件

※日本の食べログの登録店舗数は約80万件なので約10倍の登録店舗数

参照:美团上半期決算書

アプリの検索カテゴリ

 検索対象のカテゴリも以下の通り非常に多い

参考:「大衆点評」のアプリ

アプリの見方(レジャー施設の場合)

 

※参考:「大衆点評」のアプリの画面

評価方法(飲食店の場合)

・下記の一部でも評価可能だが、詳しく評価すればするほど、評価したときのポイントが多くもらえる。

※このポイント目的で評価する人が大多数。

・来店したことを証明するための、お店の近くでアプリからサインアップをする必要がある。(GPSで判定)

 

※参考:「大衆点評」のアプリの画面

評価するメリット

・評価する側は、評価後に得られるポイントをためる(VIP会員になる)と特定のお店の無料や割引サービスを受けられる。

・評価される側(お店側)は、高評価であればあるほど宣伝になる。

※アプリ内でも高評価ほど閲覧や検索の上位にくる

評価するデメリット

 全ての評価が必ずしも正しくない。

 人為的な評価の操作例として弊社スタッフが聞いた話では「五つ星の評価(最高評価)を一定数獲得する目標があり、店の商品の無料提供と引き換えにお客様に高評価を依頼する」、「低評価のお客様に無料のサーピス券などを提供し低評価の削除を依頼する」ことがあるという。

 中国の口コミNo1アプリの紹介はいかがでしたか。
規模や便利さも桁違いの口コミアプリ「大衆点評」の今後の進化を引き続きウォッチしていきたいと思います。

執筆者:利墨(上海)商务信息咨询有限公司  倉田 瑞穂

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