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更新日:2015.11.29
スマホファーストの中国では、O2Oサービスが生活に根付いています。O2Oとは「Online to Offline」の略で、オンライン(ネットやアプリ)からオフライン(実店舗)へ誘導する施策のことです。直近の中国上位O2Oアプリは以下の通りです。
(※易观智库調べ、2015年9月度データ)
この中でも上位に記載されている1~3の「生活口コミ」「共同クーポン」「デリバリー」について今回はご紹介します。
いわゆる中国版「グル―ポン」。飲食店だけでなく、美容や映画、旅行、レジャーなど生活に関する店や施設が対象。共同購入形式でクーポンを購入すれば、20~30%割引。購入後にいつでもキャンセルが可能な点が便利。約160万店舗が掲載。
いわゆる中国版「食べログ」。こちらも飲食店に限らず幅広く提供。評価が高く、数が多いと本当に人気店になる。アプリやサイト経由での予約が非常に便利。
中国語で外売(ワイマイ)はフードデリバリーを意味します。飲食店が配達するのではなく、各アプリ・サービス会社がユーザーの代わりに飲食店で購入し配達を行う。街の至る所で各サービス会社のバイクを見つけることができます。
なお、中国のネット経由デリバリー市場は、2014年度151億元(約2,869億円)、前年比約60%増です。今年は1か月(2015年7月)で35億元(665億円)に達しており、日本には無い盛り上がりを見せています。シェアは「美団外売」が41%、「饿了么」が39%で、「饿了么」の場合でユーザー数は約4,000万、加盟店舗は30万、注文金額/日は6,000万元(11.4億円)です。「美団外売」は2. の共同クーポン「美団」と同じ企業が運営しています。
なぜこれほどO2Oサービスが普及しているのでしょうか。私が思うに以下3つのポイントが主な要因です。
中国のB2Cサービス提供会社は、先行投資をし、ユーザー数や加盟店の「数」を稼ぐマーケティング手法を行います。よって、人気の各種サービスは「数」が圧倒的に多いです。
下表が日本の類似サービスと比較した結果です。ユーザー数は日本の3~4倍程度ですが、掲載店舗数やPV数、口コミ数は10倍以上もあります。
項目 | 大衆点評 | 食べログ | ぐるなび |
---|---|---|---|
月間ユーザー数 | 2億人 | 6,722万人 | 5,200万人 |
掲載店舗数 | 2,000万店 | 81万店 | 14.4万店 |
月間PV | 200億PV | 16.5億PV | 11億 |
11億 | 1億以上 | 700万 | ― |
開始 | 2003年 | 2005年 | 1996年 |
過去コラム「中国における電子決済」で紹介した通り、支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)マネーを使うと、各種アプリ経由で決済がワンクリックのみで、非常にスムーズです。クーポンの購入ではなく、実際の支払時もアプリ経由で支払うと割引されるお店も多くあります。
一部店舗ではアプリ経由での予約が可能です。予約ボタンをクリックすると5分~10分以内にショートメッセージで予約結果が返信されます。店舗側の仕組みとしては、予約リクエストが自動音声の電話として届き、プッシュ式で回答するだけでユーザーへ返信されます。店舗側もマメに空席状況をメンテナンスしているため、申込が出来た時点でほぼ9割がた予約できる状態です。日本の飲食店舗では、アプリ経由での予約はここまで普及していないと思います。
非常に成長している中国O2Oサービスですが、先月には「大衆点評」と「美団」が戦略的提携し新会社を設立したという発表がありました。これにより150億ドル(1.8兆円)規模のO2Oサービス会社が誕生することになり、今後の動きに注目です。
以上
※ 参考データ
易观智库調べ:
・2015年9月 O2O类APP TOP50榜
・(2015年)7月外売O2O交易規模逾35億
比达网調べ
・2015第2季度第三方餐飲O2O外売市場研究報告
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