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更新日:2022.11.03
中国の電気自動車会社が日本の市場に参入するなど、中国で電気自動車の成長が加速しています。日本ではまだまだガソリン車が多い状況ですが、中国ではタクシーをはじめ、かなりの台数の電気自動車が走行しております。また、電気自動車が増加するにつれ、電気自動車充電スタンドも増加していると感じるようになってきました。
今回は、最近の中国の電気自動車の状況について、ご紹介いたします。2018年にも電気自動車に関しての記事を掲載しておりますが、そこからさらに電気自動車業界が進化しておりますので、ぜひ過去の記事と比較してみて下さい。
駐在員コラム「中国マーケットとITトレンド」第36期 中国の電気自動車について 2018/05/11
2016年~2021年の中国での電気自動車生産数、販売数の推移につきましては2016年から約2年で2倍以上の生産数、販売数となりました。そこから2020年までは微増だったのですが、2021年は前年の2020年の約3倍近くの生産台数、販売台数となり今勢いがあることが分かります。
参照:2021年中国纯电动汽车行业运行情况总结及2022年行业走势预测
※抜粋し筆者追記
2021年も電気自動車が急成長した理由としては3つの要因があります。
走行制限の廃止、電気自動車専用のナンバープレートの発行など電気自動車を利用し易くするための政策を行う一方、特定領域への強制規定として新規のタクシー、レンタカー公用車は電気自動車の使用を強制させるなどガソリン車への締め付けも行っています。
新型コロナウイルスの感染拡大及び、石油輸出国機構(OPEC)の石油増産見送りなど2021年はガソリン価格が急騰しました。ガソリン価格の上昇は長期化すると見られ、ガソリンを使用しない電気自動車が注目されました。
2017年の時点では電気自動車は1回の充電で走行距離180kmほどだったのですが、2021年に販売された電気自動車では1回の充電で走行距離が最大700kmまで進歩しました。これにより電気自動車を購入する人が増加しました。
中国で電気自動車を販売しているメーカーは非常に多く、主要メーカー10社は下記の表となります。日本では電気自動車といえばTeslaが有名ですが、中国ではTeslaよりも上汽通用五菱というメーカーが電気自動車を最も多く販売しております。
上汽通用五菱は中国の三大自動車メーカーの一つである上海汽車、自動車部品を制作している広西汽車、さらに、米企業のゼネラルモーターズの3社による合弁会社として設立されました。ゼネラルモーターズは米国での存在感が年々薄れているため、今後は中国への販路に力を入れていく可能性があります。
2021年1月-11月における企業毎の電気自動車総販売台数
参照:2021年中国纯电动汽车行业运行情况总结及2022年行业走势预测
※抜粋し筆者追記
中国政府は2030年までに新車販売台数の約50%を新エネルギー自動車(電気自動車・ハイブリッドカー・燃料電池自動車)に置き換えることを目標としております。その目標を実現させるため、様々な施策が行われております。
現在、新エネルギー自動車購入にかかる消費税は免除されております。
こちらの政策は当初2022年12月31日までとされておりましたが、今後も免税期間が延長される見通しとなっております。
消費税の免除だけでなく、各地域で新エネルギー自動車の購入を補助するため、様々な施策が行われております。一例として下記のように新エネルギー車購入のための補助金が出ます。
北京:新エネルギー自動車の買換えを促進するため、ガソリン車を下取りに出して、排出ガスを基準より下回るなど環境条件をクリアした新エネルギー自動車を購入すると最大1万元補助金が支給されます。
上海:排出ガスを基準より下回るなど環境条件をクリアした新エネルギー自動車を購入すると最大4,000元補助金が支給されます。さらに、新エネルギー車の使用過程で発生する充電費用を最大5,000千元まで補助されます。
新型コロナウイルスによって、全体的に消費が落ち込んでいる中国ですが、電気自動車においては急速に成長しています。中国政府も2030年までに電気自動車業界をリードしていくと発言しており、今後も普及に向けた施策を行うと思われます。さらに海外展開も進めており、今後世界で中国の電気自動車がどれだけシェアを取ることが出来るのか注視していきたいと思います。
執筆者:利墨(上海)商务信息咨询有限公司 高名 宏明
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