中国日系企業の地域分布ランキング(2025年調べ)

更新日:2025年08月19日

中国に進出した日系企業の地域分布について、2024年4月に発表した「中国日系企業の地域分布ランキング」(日系企業27,750社)で紹介以降、再びその全体像を見直すべく、日系企業の地域分布ランキングを2025年4月時点のデータ(日系企業27,148社)に基づいて再調査した。

TOP10地域安定、山東省大幅減少

日系企業数が多い上位10地域および前回調査との比較結果について、表1に示す通り整理した。今回の調査では、上位10地域の顔ぶれに変更は見られず、順位については、北京市と山東省の順位のみが入れ替わり、北京市は1ランク上昇して5位、山東省は1ランク低下して6位となった。それ以外の地域は前回同様の順位を維持している。各地域における日系企業社数は8位の天津市と10位の湖北省以外は減少している。なお、各地域における日系企業数が全体に占める比率の変化を見ると、特に山東省のシェアが▲0.7%と、他地域と比較して最も大きな変動幅を示している。「中国における日系企業の休廃業動向」(2,163社)で紹介した地域別休廃業数ランキングでは、山東省は182社で第4位となっている。ジェトロの調査結果によると、山東省の日系企業においては、他社との競争の激化や人件費の上昇、さらには輸出先市場(主に日本)における需要減少が、他地域と比較して特に顕著な業績悪化要因として指摘されている。業績悪化が撤退の要因となっていると考えられる。

表1 中国に進出した日系企業の地域分布ランキング 1位~10位

順位変動地域今回前回シェア
前回増減
今回前回シェア社数シェア社数
11上海市29.3%7,94329.2%8,107+0.1%
22江蘇省14.2%3,85414.0%3,898+0.2%
33広東省13.3%3,61513.1%3,628+0.2%
44遼寧省7.2%1,9537.1%1,958+0.1%
56北京市6.2%1,6906.2%1,7120%
65山東省6.2%1,6726.9%1,901▲0.7%
77浙江省5.6%1,5105.9%1,624▲0.3%
88天津市3.8%1,0243.6%999+0.2%
99四川省2.5%6662.7%750▲0.2%
1010湖北省2.2%5932.1%592+0.1%

※シェア(%)=各地域の企業数/全体企業数
 シェアの前回増減=今回シェアー前回シェア

東部沿岸および中部(四川省・湖北省)へ集中

図1に示される分布地図によれば、日系企業は主として中国東部沿岸地域に進出している。また、中部では四川省および湖北省が主要な進出先であり、北西部及び南西部への進出は極めて限定的である。この分布傾向は前回調査から大きな変化が見られず、中国国内の経済発展の地域差と高い関連性を示している。

図1 中国に進出した日系企業の地域分布地図

                                         (単位:社)

新設日系企業は広東省・上海市・江蘇省に集中

表2が示す2023~2024年における新設日系企業(2,284社)の地域分布ランキングによれば、広東省が上海市および江蘇省を上回り、首位となった。これら上位3地域に新設日系企業全体のおよそ50%が集積している点も注目される。また、浙江省は遼寧省および北京市を抜いて第4位に浮上し、山東省はトップ10から外れ、代わって重慶市が第8位へとランクインした。これらの地域における新設企業の主な業種は小売業、飲食業、卸売業であり、日本企業にとって重要な消費市場として位置付けられている傾向が見受けられる。

表2 2023~2024年新設日系企業の地域分布ランキング

順位地域シェア社数上位業種
1位2位3位
1広東省17.6%403小売業飲食業卸売業
2上海市17.5%399小売業卸売業飲食業
3江蘇省13.5%309小売業飲食業卸売業
4浙江省8.8%202小売業卸売業飲食業
5北京市6.5%148小売業飲食業科学技術普及・
応用サービス業
6遼寧省5.7%131小売業卸売業科学技術普及・
応用サービス業
7四川省5.7%131小売業科学技術普及・
応用サービス業
ソフトウェア・
情報技術サービス業
8重慶市3.7%84小売業卸売業飲食業
9湖北省3.3%76小売業卸売業ビジネスサービス業
10天津市3.2%73小売業飲食業卸売業

※シェア(%)=各地域の2023~2024年設立企業数/2023~2024年設立の全体企業数

2024年新設企業数大幅回復

図2が示すように、多くの上位地域における2022年と2023年の新設日系企業数はコロナ禍の影響を受け落ち込んだが、2024年には、大幅に回復している。ただし、山東省については2022年に新設企業数のピークを記録した後、回復の傾向はなく、減少が続いている。

 図2 2015~2024年上位地域における新設日系企業数推移

まとめ

本調査では、中国に進出している日系企業の地域分布およびその変化について紹介した。各地域における進出日系企業数は天津市と湖北省を除き減少推移となっている。地域分布は、山東省を除き全体的に安定した構造を示している。2023年以降設立された企業は、市場規模が大きく消費力が高い地域に集中する傾向があり、広東省、浙江省、重慶市での増加が他地域より顕著である。主要地域における新設企業社数は回復傾向が見られる。地域ごとの経済環境および産業構造の相違は、企業による立地戦略の意思決定に対して大きな影響を及ぼす。本稿で取り上げた各種動向が、日系企業の今後の拠点展開戦略策定に有益な情報となることを期待する。

[参考資料]

表3 中国に進出した日系企業の地域分布ランキング 11位~31位

順位地域社数
11福建省428
12重慶市387
13安徽省256
14河北省235
15陝西省209
16湖南省154
17河南省153
18吉林省152
19江西省110
20黑竜江省96
21雲南省80
22海南省74
23山西省69
24広西チワン族自治区62
25内モンゴル自治区49
26貴州省45
27甘粛省24
28新疆ウイグル自治区22
29寧夏回族自治区17
30青海省5
31チベット自治区1

[実施概要]
・調査名称 : 中国日系企業の地域分布ランキング
・調査方法 : 中国における日系企業の法人登記情報に基づく
・調査対象データ更新時期 : 2025年4月時点で開示されていた法人登記情報
・調査対象企業 : 中国全土で登記されている日本企業出資の中国企業及びその傘下企業
・調査対象企業数 : 27,148社

※「中国日系企業データベース」とは、利墨が独自に収集した、中国全土で登記されている日本企業が出資している中国企業及びその傘下企業と日本の親会社情報を紐づけたデータベースのことを指す。
※ 調査に利用している中国法人登記情報は、2025年4月時点で開示されている情報であるため、企業の申告状況などにより最新の情報と異なる場合があります。

利墨は、中国において、日中両言語のクラウド型のグループウェアやe-learningシステム、中国企業与信管理サービスを提供し、社内情報共有、社員教育と取引先管理を支援し、日系企業を管理面でサポートしております。
また、2024年6月より、お客様のご要望に応え、新サービス「中国日系企業攻めモン」を提供しております。中国日系企業攻めモンは、中国全土に進出した日系企業のデータを抽出できるサービスです。業務内容・資本金・日本親会社などの抽出条件を選択することで、条件に該当する企業を抽出できます。弊社独自の日系企業DBを利用し、他社では入手できない日系企業の正確な情報を提供いたします。
中国での業務拡大をお考えの方は、是非ご利用検討ください。

資料請求 セミナー一覧