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更新日:2018.02.25
今回は中国でのスーパーマーケット市場、とりわけ生鮮食品のスーパーマーケットを紹介します。日本でもネットスーパーは普及しつつあるようですが、中国でも実店舗とネットスーパーを融合したような新しい形態が生まれています。
中国での生鮮食品といえば市場[いちば]のイメージがあります。
上の写真のように非常に見ごたえのあるものですが、最近は都心部を中心に減りつつあります。今後、中国の都市化と人々の生活スタイルが変化するにつれて、チェーン化されたスーパーマーケットの利用が拡大するとされています。
新しいスーパーマーケットの業態を紹介します。
アリババ傘下のO2O型の生鮮食品スーパーマーケットです。
とてもシンプルに売り文句が書かれています。実店舗あるいはECスマホアプリから新鮮食品を注文すると、30分で送料無料にてお届けします。というものです。
最近はオンライン(EC)とオフライン(実店舗)が融合(Merge)しているということでOMO型の生鮮食品スーパーとも言われます。
まずは、オフライン(実店舗)をご紹介します。
店舗に入ると、近未来的なネオンライトの天井とマスコットキャラクターのカバが迎えてくれます。カバ(中国語でも河馬)の発音が「盒馬」と同じため、このカバがあちらこちらに登場します。
店舗の上を見上げると、こうしたレールが張り巡らされていて、時折、買い物用の保冷バッグが通過します。店舗=ECでの注文の倉庫でもあるので、写真の水色の店員さんたちがスマホアプリからの注文を受けて、店内の商品をピックアップし、このレールを通じて配送に送っています。
海鮮コーナーには活きた魚や貝類、甲殻類がいます。店員さんにとってもらう、もしくは自らの手で納得のいくものを選ぶことができます。
またイートインコーナーがありますので、店内で調理してもらい、また店内で購入したものを食べることができます。
材料代金と加工代金を払い、できあがりを待つだけです。
イートインコーナーに生ビールも売っています。もちろん店内で海鮮料理とともにビールを飲むことができますし、写真のペットボトルにつめて、生ビールを持ち帰ることもできます。
店内には、無料のWIFIが提供され、またスマホアプリのダウンロードを促すQRコードが張られています。
彼氏なんていらないよ、力持ちのカバがお届けします。しかも30分で。スマホアプリはこちらから。(意訳)といった趣旨の案内がお米売り場の上についています。
写真はお会計の様子です。左がセルフ会計。右は通常の人が対応するレジです。大変込み合っています。
次にオンラインのスマホアプリを紹介します。
スマホ画面はECアプリやフードデリバリーアプリを利用したことがある人ならば違和感なく注文できるような構成になっています。アプリ上で商品選んで、届け先と時間を指定して、電子マネーで決済するだけです。配送状況もリアルタイムにアプリ内で追うことができます。
アプリにバーコードスキャン機能がついていますので、店舗内で商品をスキャンして、アプリの買い物カゴにいれて、時間指定して家に配達ということもできます。
配達の様子です。フードデリバリーと同じくバイクです。左のバイクが「盒馬」で、右がフードデリバリーですが、見た目に大差ありません。配達するほうも、運ぶ中身が違うだけで動きは同じです。
実際に使ってみると、便利この上ないです。利用者側はオンライン、オフラインにかまうことなく、ほしいタイミングに、買いたい方法で買うことができます。
競合のスーパーマーケットも登場しており、ご紹介します。
中国ECサービス大手の京東(JD.com)が展開するスーパーマーケットです。実店舗とECの融合をうたった「盒馬」と同様の業態です。まだ北京にしか店舗がありませんので、京東の紹介を引用します。
こちらは買い物カゴロボです。
買い物する人のスマホと連携して、自動でついて回ります。中国のTVニュースでも紹介されていましたが、実際に買い物する人について動いていました。
下の写真は、売り場の上部に食品の製造履歴をトレースするディスプレイです。
これらの機能が必要とされているかは別として、売り時を少しでものがさないように、あるいは他社より少しでも先んじたいとする中国のビジネススタイルは消費者として楽しいですし、ビジネスパーソンとしても感心するところです。
京東は、今後5年間で「7Fresh」を中国国内で1000店展開予定だそうです。
以上
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