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更新日:2026.04.13
今回は以前、業界分析で取り上げました建設業について与信管理のポイントや近年の業界動向について触れていきたいと思います。
建設業における与信管理のポイントとして、以下の点が挙げられます。
資格等級は建設企業の重要な基礎条件です。建設企業は、適切な資格証明を取得した後、資格許可の範囲内で建設作業に従事することができます。2023年末までに、中国の建設企業は約15万社あり、そのうち特級資格を持つ建設施工企業は1%未満です。したがって、工事資格は企業の規模、資金、管理、技術などの総合力を直接反映し、企業が担当できる工事の範囲を決定します。工事資格は建設施工企業の総合力を区別する重要な指標の一つであるため、斯業種との取引に際しては、適切な資格証明を保有しているかを確認する必要があります。
斯業種の施工能力は施工資格によってのみ決定されるわけではなく、施工経験と技術水準も施工能力を測る重要な指標です。同じ施工資格を持つ企業でも、施工経験と技術水準は大きく異なることがあります。特に大型建設プロジェクトでは、建設企業の施工経験と技術水準に対する要求が高くなります。今までの施工実績は斯業種の企業を評価する上で重要な評価ポイントとなります。
企業の取扱業務が多いほど、企業の総合的な施工能力が高いことを示しています。また、市場環境の変化による企業経営への大きな影響を避けることができます。同時に、建設企業の施工業務範囲には一定の地域性があり、企業の業務範囲が広いほど、施工できる地域範囲が広がり、地域市場リスクを分散することが出来るため、経営の安定性が高まります。斯業種との取引に際しては、取扱業務内容、施工地域の範囲などを確認することも肝要です。
新規契約数は、企業が経験、資格、評判などの競争優位を基に新しい注文を獲得する能力を表し、同時に企業が今後、安定的に業務を行っていけるか、市場競争力は維持していけるかを表します。斯業種との取引先に際して、新規契約数を確認することは、取引先の収益性と安定性を判断するのに役立ちます。
過去10年間において、中国の住宅建設業の総生産額は一貫して増加しており、2022年には総生産額が18兆6,482億8,000万元に達しました。しかし、中国の不動産業は、2023年は明らかな衰退状態にあり、不動産業の影響を受けて住宅建設業全体の成長は鈍化しています。2023年における中国の建設中の建物の面積は838,364平方メートルで前年比7.2%減少し、新たに着工された建物の面積は95,376平方メートルで前年比20.4%減少しました。一方で、中国の一線都市での住宅購入制限政策の緩和、旧住宅の改修需要、および住宅建設企業の海外事業の拡大が進んでおり、将来的には住宅建設業の発展が期待されています。
中国の交通インフラ発展の恩恵を受け、中国の土木工事建設業の総生産額は過去10年間で一貫して増加しており、2022年の総生産額は9兆1,016億元に達しました。2012年から2022年の間に、中国は毎年平均約3,000キロメートルの高速鉄道路線を開通させており、世界最大の高速鉄道ネットワークを構築しています。中国は、2018年から2022年の5年間で交通インフラに17兆元以上を投資しています。
2023年における建設業の新規契約額は35兆6,040億元で、前年比で2.9%減少しました。特に重要な川下の不動産業界では、2023年の不動産開発投資は11兆913億元で、前年比で9.6%減少しました。そのうち、住宅投資は8兆3,820億元(前年比▲9.3%)、オフィスビル投資は4,531億元(同▲9.4%)、商業営業用不動産投資は8,055億元(同▲16.9%)となりました。また、新築住宅の面積は95,376万平方メートル(同▲20.4%)に減少し、中国の不動産不況により、斯業種の事業環境の悪化が懸念されます。
中小企業のプロジェクトでは、前金の支払いから工事代金が完全に回収されるまでは約5年間かかるため、市場縮小に伴い、資金回収の圧力が高まっています。また、不動産不況の影響で2023年以降、1,000社以上の建設関連企業が破産清算の手続きを進めています。南通を例にとると、かつて「中国建築の鉄軍」と呼ばれた南通一建、南通二建、南通三建、南通六建などが相次いで債務再編や破産清算を行いました。加えて、中国の人口減少に伴い、高齢化、労働力不足、労働コストの高騰という問題に直面していることから、今後、斯業種の事業環境の悪化が懸念されます。